今回はユーザーさんから依頼がありましたのでXXX GBPUSDの検証をします。
「ユーザーのチカラでEA品質を向上させよう!」という活動です。
是非、皆さんからの依頼をお待ちしております。
まずこのEAは販売ページで全く説明がありませんが
・日本時間6:00~6:30にエントリーする朝スキャEAです。
・GMT+3専用EAです。
パラメータも少なくシンプルなEA風な雰囲気ではありますが
違和感を感じてフォワードテストをよくよく見てみたら、朝スキャEAだと判明しました。
しかも最もスプレッドが暴れる日本時間6:00~6:30にエントリーするって・・・・
私としては「わざと説明しない販売者の悪意」を感じる商品です。
デモ口座では約定するけど、リアル口座では約定しないとか
この時間はサーバーメンテが入るブローカーも多いので注意が必要です。
いろいろ問題が起きそうな予感しかしません。
GMT+3専用EAというのはバックテストをすれば理解できます。
このEAは「サーバー時間0:00~0:30にエントリーする」というようなプログラムになっています。
GMT=0だろうがGMT=+9だろうが「サーバー時間0:00~0:30にエントリーします」
つまり日本時間で考えると
GMT=0の0時は日本時間9時です。
GMT=9の0時は日本時間0時です。
夏GMT=3の0時は日本時間6時です。
冬GMT=2の0時は日本時間7時です。
取引時間がズレるのでGMToffsetパラメータが必要なのですがありません。
取引時間を説明し、パラメータ化することもしてません。
つまりGMT+3専用EAなのです。
実はまだ問題があります。
FXDDヒストリカルデータに最適化されているEAです。
FXDDサイトでダウンロードできるFXDDヒストリカルデータは特殊なのをご存知でしょうか?
FXDDサイトでダウンロードできるFXDDヒストリカルデータは冬GMT+3、夏GMT+3という特殊データです。
FXDDのMT4ヒストリカル(配信レート)のGMTは冬GMT+2、夏GMT+3です。
*詳しく調べた方がいらっしゃいます。(目次6を参照のこと)
このことを知らずに最適化している可能性が非常に高いです。
FXDDヒストリカルでバックテストすると成績が良すぎるんですよね。
なのでFXDDで運用するのが最も良いという結論になります。
ただ現実にはFXDDはスプレッドが広いので使えません。
ということでやっとバックテスト結果です。
FXDDヒストリカルでバックテスト
今回はGBPUSDということでアルパリ長期データは保存してなかったので持っていません。
XXXのスプレッドフィルターは40です。
XXX GBPUSD-FXDDデータ-2005.01.01-2015.08.23-スプ10
XXX GBPUSD-FXDDデータ-2005.01.01-2015.08.23-スプ20
XXX GBPUSD-FXDDデータ-2005.01.01-2015.08.23-スプ30
XXX GBPUSD-FXDD結果合成値
1年間の運用見込み利益(10年割)=$579.50(6.95万円相当)
スプ10最大ドローダウン=$522.30(6.26万円相当)
スプ20最大ドローダウン=$610.90(7.33万円相当)
スプ30最大ドローダウン=$1154.50(13.85万円相当)
合成ドローダウン=$762.56(9.15万円相当)
リスク対期待値=0.759
Tickstoryバックテスト
データ抜けが発生しないようGMT=0でcsvファイル出力します。
インポート時に表示移動でGMT+3へ修正します。
これで冬GMT+3、夏GMT+3というFXDDヒストリカルと同じGMTデータになります。
XXX GBPUSD-Tickstory+3-2003.05.04-2015.08.23-スプ10
XXX GBPUSD-Tickstory+3-2003.05.04-2015.08.23-スプ20
XXX GBPUSD-Tickstory+3-2003.05.04-2015.08.23-スプ30
XXX GBPUSD-Tickstory結果合成値
1年間の運用見込み利益(12年割)=$298.23(3.57万円相当)
スプ10最大ドローダウン=$1186.50(14.23万円相当)
スプ20最大ドローダウン=$1432.80(17.19万円相当)
スプ30最大ドローダウン=$1882.10(22.58万円相当)
合成ドローダウン=$1500.46(18.00万円相当)
リスク対期待値=0.198
↓ちなみにGMT=0のままでバックテストするとこうなります。
XXX GBPUSD-Tickstory-2003.05.04-2015.08.23-スプ10
まとめ
スプレッドが最も暴れやすい日本時間6:00~6:30にエントリーする朝スキャEAです。
おそらく冬GMT+3、夏GMT+3で最適化されたEAであり、実際には冬GMT+2、夏GMT+3で運用するおかしなEAです。
GMT処理が抜けているEAなので冬時間になったときにおかしな挙動・予想外の成績になると推測します。
FXDDヒストリカルに過剰最適化されたEAだと判断します。
この類のEAは「リアル運用で実績を公開することが必須」です。
机上の理論だけで作成されている印象を受けました。
やっぱりリアル運用実績に勝るデータは無いのでリアルで証明して欲しいものです。
プログラム上、ブローカー選定は難しいのでこれで検証を終わります。