kawasumiが本音でシステムトレードを考えるコラム第29回です。
kawasumi独自理論を好き放題に語ります。
「商品に価値があるか決めるのはユーザー」しかいません。
また「私の記事に価値があるか決めるのも読者」です。
本日のテーマ 「改めてチェックポイントを再考する」
2016年の総括としてEAチェックポイントを
新しい経験や発見を追加して基準なりを更新したいと思います。
まず様々なタイプのEAがありますので思い出せる限り
「EAの特徴」「判別方法」「注意ポイント」を列挙していきます。
最後に注意ポイントを踏まえて今後どうするのかkawasumiの決断をしたいと思います。
ボリュームが大きいので覚悟してください(^_^;)
書き漏れを思い出した場合はいつの間にか追記しますね。
基本編
「異常に重いEA」
判別方法
バックテスト結果ですら表示できない
バックテストするとフリーズして全く動かなくなる
15年程度の全ティックバックテストだけで1日以上時間が掛かる(Sinkaの場合は2~3時間)
注意ポイント
バックテストすら出来ないEAは論外です。
まずバックテストありきでEAを評価するので評価に値しません。
フォワードで利用するとPCに負担がかかり他EAの動作にすら影響を及ぼしかねない。
開発者が「重いよ~スパコン欲しいよ~」って言ってたら、まぁアウト。
「バグってるEA」
判別方法
対処法なし
最も効果的な確認は開発者自身が運用しているか聞く事
デモ口座ではないリアル口座フォワード運用実績を公開させること
複数のブローカーデータで確認しているか聞く
注意ポイント
動作検証確認無しに開発者の思い込みだけで作られたEAに多い。
開発者自身が利用していないことが最大の原因。
主に本業プログラマーと思われる人が知識だけで作ったEAに多いのではないか?
本当に悪意のない新人開発者にも要注意。
良い人だからと言って知識不足、経験不足を棚に上げてはならない
頑張っているので許してください的な発言もダメ。みな頑張っているんです。
ダメなものは絶対にダメ!!
GMT関係はトラブルの種です。
誰が何と言おうと「EAが認識している時間を表示させるよう圧力を掛けましょう」
「表示しない=視認できない」から気づきにくいってことは開発者すら気づいてない可能性もありえます。
私を信じて下さい詐欺には注意しましょう。
言葉ではなくて開発者の行動を観察しましょう。
「やるのか、やらないのか」「やるならいつまでにやるのか」それだけがユーザーにとって重要です。
基本的にユーザーの意見を聞いているようで聞いていない場合もある。
苦情が伝わらない。論点をズラされる。会話が成り立たない。などどうしようも無い場合も覚悟しましょう。
「休日を無視するEA」
判別方法
Xmasや年末年始トレードするEA
注意ポイント
XmasはFX取引ができません。
Xmas以降から年末年始はスプレッドが高くなり薄商いにもなる。
ヒストリカルデータがあったとしてもまともにトレードできる環境ではない。
週末決済はするけども、FXの休日を知らずにポジション持ち越ししてたら怖い。
目安として12月24、25、26、31、1月1、2、3、4の8日間は運用を避けたい。
Xmasや年末年始前後の営業時間短縮も考慮してます。
「週末決済しないEA」(FX休日含む)
判別方法
週末にポジションを決済せず保有し続ける
FX休日を目前にして決済しない
注意ポイント
週明け月曜に窓明けオープンしTPSL決済をする場合において問題がある。
バックテストではTPSL値で決済しているが
フォワードではTPSL値で決済できずに月曜オープン価格で決済される。
つまりバックテストが信用できない原因になる。
TPSLを使わないロジックの場合は週末決済しなくても問題なし。
「ティック動作するEA」
判別方法
開発者に問い合わせる
フォワードデータで1分以内の取引回数やエントリーをよく注意して観察する
1ポジEAが1分以内に複数回エントリーしてたらティック動作している確たる証拠
注意ポイント
そもそもMT4ヒストリカルデータは最小M1で保存される。
ティックチャートは保存されずフォワードでのみティックチャートを表示可能。
つまりバックテストとフォワードが確実に一致しないことをデータで証明できる。
ティックエントリーするEAの場合は1分間に何回トレードするのか制限は無いのでとても危険。
始値エントリー&ティック決済の場合は
終値確定&始値スタートでのみエントリーするのでエントリー回数を制限できており安全。
ティック決済=TPやSLも含まれる。
バックテスト確認はTickstory以外に不可能なのでフォワードデータを添付することが必須だがティック判断での売買なのでPC動作タイミング違うとアウトになるため全員が同じような結果を得られる可能性はとても低い。
「ティック動作するEA2」
注意ポイント
ブローカーの取引規約に違反している場合がある。
短時間における高速取引。混乱を招く取引。は禁止の場合が多い。
レート配信と第三者のレート配信を比較し、レートの遅延や乖離をシステム的に利用した取引、またはこれに類似する取引。
インターバンク市場でのカバー取引が困難となる過大な流動性を必要とするお取引
または極めて短い時間の間に複数の発注を自動的かつ継続的に行う高速取引
「1分動作するEA」
判別方法
開発者に問い合わせる
注意ポイント
リーマンショックのような相場で1分トレードを鬼のようにしている場合がある
フォワードにおいて再現性を疑うようなトレードをしている場合がある。
スプレッドフィルターを緩めに設定する必要性や相場の荒れ具合を監視するフィルターがあるのか確認が必要。
指標トレードを狙うEAに多い。
バックテスト通りのトレードが出来るには「確実にエントリーして確実に決済できる必要がある」
この類はEAではなくインジケーターで裁量トレード補助が良いところでしょう。
ただインジケーターの指示通りの価格で注文&約定できるかはアナタ次第・・・
「スプレッド条件が甘すぎるEA」や「朝スキャEA」
判別方法
バックテストデータのスプレッド値をみる
注意ポイント
バックテストではスプレッド変動まで再現できません。
基本的に最初から悪いスプレッドを想定してあると良くなるだけなのでユーザーに優しいデータ。
ごく一般的に可能性がある「良いスプレッド」と「悪いスプレッド」2種類のデータがあると良い。
週始め月曜早朝スプレッド、早朝スプレッド、週末スプレッド、指標イベントスプレッド、Xmasスプレッド、年末年始スプレッドなどを無視したデータになっている可能性がある。
通貨ペアやブローカーなどの特徴をしっかりとデータ収集しフォワードで問題ないか確認すること。
特に朝スキャEAは早朝スプレッドに注意する
早朝時間はスプレッドが高い時間帯が1~2時間続きます。
週初め月曜早朝は特にスプレッド高いです。
バックテストではスプレッドを固定できるので問題無いがフォワードでスプレッドフィルターNGでエントリーせず理論破綻しているEAもあったりします。
机上論になっていないか注意
「スワップEA」や「朝スキャEA」
判別方法
朝にトレードするEAかみる
スワップが発生するトレードをするのかみる
注意ポイント
バックテストではスワップは完全に無視されています。
スワップが発生する可能性のあるEAはバックテストデータをそのまま信用してはならない
朝トレードする=スワップの影響を非常に受けやすいロジックです。
スワップはマイナスなのかプラスなので全く話が変わってきます。
基本的にブローカーの損得に影響してくる部分なので
「マイナススワップ大 > プラススワップ小」な構図です。
収益力の弱い中長期トレンド狙いのEAは何日保有するのか週越しするのかでスワップ負けする可能性にも注意。
机上論になっていないか注意
「複数ポジションEA」
判別方法
最大ポジション数の確認
注意ポイント
同時タイミングや似たようなタイミングでポジるのか注意が必要です。
単純に1ポジEAを作成して2ポジで分割エントリーすれば取引回数は2倍になります。
基本ロジックがあって、ちょっとだけ違う調整をしている場合。
ナンピンしているだけの場合
とりあえずドルコスト平均法を模倣してるだけ
バックテスト上で取引回数を水増やしたいだけ
実はトラップリピート系EAだった
などが考えられます。
根拠は無いですが5ポジ以上のEAには複数ポジる根拠を説明する必要があるかと思います。
物によっては100ポジるとかあったのでそういうゴミは買わないようにしましょう。
バックテストデータの見栄えを良くしたい開発者テクニックではないか?注意が必要。
「トレード回数少ないEA」
判別方法
運用期間の割にフォワードデータ、バックテストデータが圧倒的に少ない
注意ポイント
データをよく見せるためにエントリーを制限しまくった結果とも言える
成績が悪かったからMACDを追加しよう、ボリバンを追加しよう・・・とフィルターを増やしエントリー制限を厳しくすることで回数が減る
バックテストの勝率も良くドローダウンも悪くないが「少ないトレードチャンスで利益を得よう」としてハイレバになる。
一撃必勝を狙って一撃必殺される。
トレード回数も少ないのに長期対応してなかったら、さらに最悪。
そもそもトレードをしないのであれば資産は変動しないので高級なゴミを買ってるようなもん
何もせず銀行にお金を預けてる方がマシになる。
FXトレード可能日数を確認してみましょう。
1年365日/1週間7日=52.14週
52週×平日5日=260日
FX休日アバウト8日=Xmas前後3日、年末年始5日
260-8=252日
FXの1年は252日
FXの1ヶ月は約21日
FXの1週間は5日
1年間でバックテストした場合に252回トレードしていれば
「1日1回トレードしているEA」とみなすことができると判断出来ます。
「ポジションバランスが崩れすぎてるEA」
判別方法
売りポジションと買いポジションのバランスが極端に崩れている
注意ポイント
バックテストを見た時に売り100回、買い1000回、取引回数1100回というEAがあったら不安になりませんか?
「買いが得意なEAなのかな?」と思いますが、だったらロング専門EAにして売って欲しい訳です。
ロング専門EAやショート専門EAの場合は特化型EAとして調整されているので問題は無いと思います。
開発者自身が気づいて無くて無意識の結果だと思うと不安になります。
「開発者の意図があればOK」「意図が無ければ怖い」と私は判断します。
わざわざ苦手なポジションを取る必要は無いのです。
「塩漬けナンピンEA」や「保有時間が長いEA」
判別方法
負けないEA
勝つまで決済しない
利益と保有時間が比例しない
注意ポイント
「負けを認めなければ負けにならない」という理論を武器にしています。
それが一般人の唯一の武器と言えば武器ですが膨大な資産が必要となります。
基本的にいつか「破綻するまで塩漬け」します。
1回負けた時がロジック破綻のタイミングになりえます。
色んな理由があるかと思いますが保有時間と利益が比例しないEAは良いとは言えません。
まず塩漬けはフォワード運用でマイナスポジションを保有し続けることになるので非常にストレスが溜まります。
我慢に我慢した割に建値決済や薄利決済な訳です。
利益を伸ばすために保有時間が長いのか?(うれしい時間が長い)
損失を減らすために保有時間が長いのか?(がっかり時間が長い)
その分析もせずに単に成績が良かったから長いのか?
保有時間が長いということはフォワードで何らかのイベントに遭遇する可能性が高まります。
バックテストではOKだけどフォワードのことは考えられてない可能性があります。
つまりバックテストデータ成績を良く見せようっていう心が優先している可能性が高いです。
塩漬けナンピンEAのスワップも考えると怖いですね。
含み損に追い打ちかけてマイナススワップとか恐ろしすぎる・・・・
「直近データしか公開されないEA」
判別方法
出来るだけ長期のデータを要求すること
可能であれば2種類以上の長期ヒストリカルデータがあればなお良い
注意ポイント
1年や2年のデータで勝てると販売しているEAなどは特に注意が必要です。
短期間に最適化しバックテスト上で勝てるEAを演出するのは簡単です。
煽り販売に引っかからないようにする「はじめの一歩」だと思います。
2種類以上のヒストリカルデータがあれば1つのデータに過剰最適化してないことを検証できる。
特定ブローカー限定EAなのか汎用できるEAなのか、ということ。
「バックテストするたびに結果が変わるEA」
判別方法
複数回バックテストを行う
その際、期間やスプレッドを変えてみること
注意ポイント
昔、自動最適化EAなるものがあった。
バックテストする期間を変えると全く違う結果になったりした。
スプレッドを少しいじると印象が全く変わる場合もある。
システムトレードはバックテスト基準でスタートするので都度結果が変わると判断できません。
番外編
「キャッシュバックEA」
判別方法
利益は度外視で取引量や回数重視
注意ポイント
海外キャッシュバックサイトを利用した手法となりますが
トレード利益がでなくてもキャッシュバックで利益を得ようという作戦です。
キャッシュバックサイトは取引量に応じてキャッシュバックしてくれます。
0.1ロットあたり5円とか20円みたいな感じ。
ただ実際のところキャッシュバックを狙ったEAで良いのを知りません。
「永遠の建値決済が出来れば最強」だが超短時間でエントリー&決済してもスプレッド分損していくだけです。
スプレッドを上回る利益を見込める場合は考慮の価値があります。
ただし、その場合はブローカーが損するので基本的にありえない。
トレード収益を基本に「+α程度」で考えるのが良いと思います。
「値上げするEA」「値下げするEA」
判別方法
値上げ告知販売
値下げキャンペーン
注意ポイント
値上げするので「今が買い時ですよ!!」と煽る商法です。
中には本当に価値があり値上げする物もあるので見極めが難しい。
特にアフィリエイターによる「サクラ、煽り」も注意。
見極めるには十分なフォワードデータと知識が必要。
値下げは高額商品を50%割引などしてお得感を煽る商法。
値上げして失敗した商品で行う場合が多い
値下げ期間が終了するタイミングで実質値上げになるので値上げ販売効果との合わせ技。
本当に価値ある商品ならば開発者が運用して利益を出せば良いので値下げする必要は全くない
値下げキャンペーン=EA販売利益が欲しい!!という欲求の塊。
勝てない証拠と思っても良いかも。
「安すぎるEA」
判別方法
価格が1万円以下
*人によって「安い」感覚は違う点は注意
注意ポイント
昔、開発販売したEAの改名版やリサイクル商品の場合もある。
販売数を増やして有名になりたいのかもしれない。
売れないよりは売れた方がマシなので1000円でも販売利益が欲しいのかもしれない。
まともなサポートは無いと思って「おもちゃ」を購入する感覚が良いでしょう。
本当に稼げるEAならば20万でも100万安いものですよ。
開発者の立場になりきってfxon販売を想定し考えられる極端な例を見てみましょう。
価格1万円の場合*開発者利益最優先設定
販売業者fxon35%(3500円)
一般アフィリ10%(1000円)
開発販売者55%(5500円)
価格2万円の場合*広告利益最優先設定
販売業者fxon35%(7000円)
一般アフィリ40%(8000円)
開発販売者25%(5000円)
開発者の利益を最優先にしても開発者には55%しか残らないのが実情です。
この例の場合、EA販売価格が2万円の方が開発者利益が少ない訳です。
高い広告費を払って有名アフィリエイターの信用でEAを売るか
安い広告費で低価格勝負でEAを売るか
という販売戦略の違いで変わってきます。
もちろん高いEAほどアフィリ報酬も高いので煽りも激しくなります。
また販売本数が多いほど売りやすくなるので参入アフィリエイターも増えます。
ユーザーもどうしてこの値段なのか、一度は販売者の立場を考えてみると良いかもです。
2017年kawasumiはどうしよう?
まずESCADAとはお別れしようと思います。
不安定要素として「スワップ」「早朝スプレッド」
データとして「取引回数が少ない」「2ポジって1回全力損切りしただけでロジック破綻する」
体感として「やっぱり取引回数少ない」「ユーロ円ポンド円は取引環境がさらに厳しいので遠慮したい」「似たようなタイミングで2ポジったりしてる」「意外と損失抱えた保有時間が長い」
初期バージョンからESCADAドル円は2016年3月から120回トレード
1ヶ月あたり12トレード。
最大2ポジだから同時にポジられると体感としてもっと回数が減る
体感として1週間で1回~2回トレードするか?という感じ。
バックテストデータが良かったので使い始めたESCADAでしたが、1年経ってkawasumiも学習し「不安定要素に気づき」「ロジックの脆さに気づき」最終的にESCADAを信じ切るだけのデータを集めることは出来ませんでした。
私は徹底してデータにこだわりEAを信じることが出来るまで調べます。
それは「信じることができれば、負けたとしても不調でも信じて使い続けることができる」からです。
ESCADAへの不信を払拭できなかったのでお別れしようと思います。
私を信じてESCADAを利用された方に対して本当にごめんなさい。
ただESCADAの長所短所を知った上でご利用されるのは問題ありません。
あくまでも私個人の判断なのでご自身の判断の参考になればと思います。
次にSinkaですが
上記チェックポイントをクリアしようとリリース以降アップデートが繰り返されてきました。
なので「頑張ってはいるが結果は出てない」というのが現状です。
アップデートされる度に改善はされています。
だけど今のところ肝心な利益は出ていません。
私を信じてSinkaで損した方は本当にごめんなさい。
2017年元日に「メガSinka」が公開されます!
おそらく2017年はメガSinkaで勝負すると思います。
改善の集大成として良いEAであることを願うばかりです。
年明けはメガSinkaの検証を行い記事にする予定です!!
最後までお読み頂きありがとうございました。
良いお年をお迎え下さい。